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試作時の細かい加工例

 日本の技術現場では技術(technique)と技能(skill)が明確に分れてゐません。そのため技術者(engineer)がある程度工作技能を持つてゐること、技能者(technician)が技術力を持つてゐることが多くあります。私も実験、試作時に必要な場合は下記のやうな加工をすることもあります。
写真は十倍の実体顕微鏡を通じて撮影しました。

QFNパッケージICの端面に配線

 基板に配線がなく本来の回路では未接続にされたICの端子にリード線を接続しました。
端子の間隔は0.4mm、リード線の直径は0.2mmです。短時間で取り付けるのはかなり困難です。
手の震えが止つた瞬間にハンダごてをICに当てます。

RTL2832 wire connection


試作基板のパターンをナイフで切り出し

 試作基板のパターンをナイフで切り出すこともあります。銅箔をけがき、その線に沿つてナイフの刃を垂直にしたまま切ります。

lpf pcb layout
 LPFの基板です。1608形状のコンデンサーと2520形状のコイルを実装します。


lpf pcb mounted  部品実装後です。

以上

改訂 H26.6.25
作成 H26.2.19